イスの修理


激しく破損した椅子の修理をすることとなりました。前脚は外れて紛失、まく板も割れています。

いすを一度解体し、まく板と前脚を新たに作ることとしました。

まく板の製作

同一形状、寸法のものを制作。継ぎ手も元の方法でおこないました。

左側の色の濃い、脚はもとの部材。チーク材であると思われる。白っぽい脚とまく板は修理のため新たにクルミ材で製作したもの。

フレームを組み、接合した状態。これに、背板と座面を取り付けると修理完了。

完成。まく板と脚の色調が違うけれど、気になるか?ならないか?それともおもしろいと感じるか?

それも、新たなストーリーが加わったと理解すれば、この椅子にさらに愛着がわくでしょう。

 

 

 

 

 

古民家再生


 樫田地区にある築75年の古民家のリフォームに取り組んでいます。築100年を超える茅葺の民家も多く残っている地域の中ですごく古いとも言えないが、田の字の間取り、土間、米の倉庫など農家の家の作つくりをしている。築年は昭和23年。太平洋戦争が終わってまだ3年しかたっていない。いろいろなものがまだ不足している時代でもあったはず。古材がかなり多用されているのもそのせいか?

古民家の天井をめくるとたいてい太い梁や母屋が見える。梁はマツのあて材、母屋は杉という組み合わせで、大工さんは適材適所に木を使っている。現在の2×4工法などでは、逆に個々の材の違いを無視するように作ることを要求してくる。まさに、正反対の作り方となる。

古民家で使われている建具類はできるだけ残した方が見かけ上、違和感ない仕上がりになる。しかし、断熱性、防音性が必要なとき、このままではやっぱり無理がある。この建具類は残すとしても、サッシを加える必要はありそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

ミニゴンのリメイク


「ミニゴン」は米国JBL社より1958年に発売されたスピーカーシステムである。当時、ステレオ再生が始められて間もない時期であり、それを家庭の部屋で行うにあたってはさまざまな試行錯誤がされたことは容易に想像がつく。当時、JBL社では共通するコンセプトで開発された三種類の家庭用のスピーカーシステムを販売している。パラゴン、メトロゴン、ミニゴンである。すべて、中央にアーチ形のスクリーンを持ち、そこに左右のスピーカーから出た音を反射させるしくみになっている。ステレオ再生が考え出されたのが、生の演奏会場での音を家庭や劇場でいかに幅と奥行と持たせて再生するかという技術であることを考えると、JBL社は当時それに対する一つの提案をしたのだろうと考えられる。コンサートホールやライブハウスの音を忠実に再現するというよりも、音楽を聴くそれぞれの場所で再び音像空間を作っていくといった考え方に基づいてデザインされているように感じる製品群である。残念ながら、現在ではこの3機種とも製造されてはいない。最も長く製造されたパラゴンも40 年前には作られなくなってしまった。ミニゴンに至っては現存するのものもほとんど存在しないであろう。私の目的は製品のカタチだけでなくその音を作り続けることなのである。

 

 ミニゴンづくりのきっかけになったのは、私のかすかな記憶の中で「たしか、ミニゴンの自作記事と視聴記を載せたステレオサウンド誌があったはずだ」ということだった。早速、ミニゴンの製作記事が載っているステレオサウンド誌を探し始める。ステレオサウンド誌はヤフオクや電気店などで古書として出回っている。ただ、このミニゴンの記事が載っているものを見つけるのはちょっと手間取った。

 

 ステレオサウンド誌の記事は製作方法から視聴記までを非常にていねいに著されていた。「すでに手に入らないんだったら、自作すればいいではないか」という当時のオーディオマニアの強い意気込みを感じさせる内容となっている。

 スピーカーの自作は、あくまでも自分が欲しい音を求めることにあり、木工製品としての仕上がりの良さを求めるものとは方向性が異なるが、そのあたりの共存は可能だろうとも思う。ミニゴンづくりのきっかけになったのは、1975年発売のステレオサウンド誌。ヤフオクや電気店などで古書として出回っている。ただ、このミニゴンの記事が載っているものを見つけるのはちょっと手間取った。

 ステレオサウンド誌の記事は製作方法から視聴記までを非常にていねいに著されていた。「すでに手に入らないんだったら、自作すればいいではないか」という当時のオーディオマニアの強い意気込みを感じさせる内容となっている。

 スピーカーの自作は、あくまでも自分が欲しい音を求めることにあり、木工製品としての仕上がりの良さを求めるものとは方向性が異なるが、そのあたりの共存は可能だろうとも思う。